季節のことば
窓際に置いた硯の墨液が
シャリシャリとなる冷え込み。
頭がキーンとする感覚。
この季節になると思いだす,里の冬。
寒さは人をチョッと哲学者(?)にするのであろうか,徒然草を手にする。
「生住異滅(せいじゅういめつ)の移り変わる実(まこと)の大事は猛き河の漲り流るるが如し」
「大意は,物が生じ,ある期間存続し,存続しながら,絶えず変化してゆきやがて滅び去る。
大事なことは,水勢のはげしい河が,みちあふれて流れてゆくようなものだ。
仏教では 四相(しそう)と称して,人間の一生,生老病死もあらわす」とある。
何を悩んでのことかさえ,今となっては定かではないが,日本海の荒ぶる自然の力に救われたことがあったように思う。
一輪また一輪とほころびる梅に思い巡らして春を待つ。