「桐の花 紫に咲きたるは,なほ をかしきを,葉の広(ひろ)ごり様(ざま),ぞうたて こちたけれど,
また異木(ことき)どもと,等しう 言うべきにもあらず。
唐土(もろこし)に名付きたる鳥の,えりてこれにのみゐるらむ,いみじゅう 心ことなり」
初夏にひっそりと 出合った桐の花,大げさだと言われた葉は,夏には日陰を作り,今は少しづつ散りはじめ,卵形の実は 秋の深まりとともに割れてくる。
一年は あっという間のようにも思えるけれど,一日一日の積み重ねと考えると,多くのものを手にしたり,触れたりして時が過ぎたのだなと。
作品を作る,基本を学ぶ,写経する,絵を描く,資料を目にする。
我社中の芸術の秋は,にぎやかにたのしく実を結ぶ。