人の心や眼,もしかしたら空や風や小鳥たちもきっとたのしんだのではないかと思う春の花が,そろそろ散り始め次の花へバトンタッチするもの,実を結び命をつなぐもの,そんな季節です。
「散」の字は,花にありがとうの気持で筆を大きく動かして,書いてみました。
「ひとひらのあと全山の華吹雪」
野中亮介句
白い短冊の中に舞い散る桜を感じていただけたらと思います。
梨の花 月にこぼれて
千里まで 霞む春の夜
伊良子清白の詩より
「巨勢山(こせやま)のつらつら椿つらつらに みつつしのばな 巨勢(こせ)のはる野を」
坂門人足
この万葉集の歌を思いながら 名残の椿をお届けします。
椿も終わりに近いです。今年の椿を書いて,春のおたより 出してみましょう。