如月の季節のことば
「春日(はるひ)鶯梅(おうばい)を翫(はや)す」懐風藻(かいふうそう)にある葛野王(かどののおおきみ)の漢詩である。
梅の開花が鶯の初音と対になり鶯の声だけで梅が連想されるようになったといわれる。
一月の華やぎ,三月の春の光が花々を懐く季節の狭間にともすれば内向きになりがちな二月ではある。
梅の花を手に拾い,真ん丸の花びら微かに届く香り,寒い中にも少し強くなってきたかなと思う光の中では,白梅があらまほしい。
ひっそりと健気な風情は心に染み,かつて
「こんな寒い時に 梅見だなんて,・・・・・。」
今は恥入る思いである。