文月の季節のことば
予想外のことはいつだって起こりそれが自然というもの。
それが起こらなくなった状態を「死」というのです。
玄有宗久さんがエッセイの中で言っています。
古事記成立1300年,聖徳太子遠忌(おんき)1400年,気の遠くなるような時間の流れの中で何度も天変地異は有り,大きな争いなどの出来事は数多くの人々を苦しめたに違いない。
和歌を嗜(たしな)み,月を愛で,花をたのしみ,季節や,出来事を受け入れ,強くしなやかな心で潰されることなく綿々とつながってきたのだろうと思う。
現在も歴史に残るような災害を抱え,この困難をどのように乗り越えていったらよいのかと途方にくれることもしばしば。
心の活発さを重視する禅では,非日常の出来事を「ゆらぎ」ととらえ,それにより,いつもとは違う自分に出逢うことを「風流」と受け止める。
宗久さんはこのようにものべている。
今年も折り返しの月を迎え,耳から目から,いろいろの人の考えや知識を脳と心に通し,今,今を自分はどのように考え対処するのか,楽観ではなく,覚悟であるということばをかみしめてみる。