十二月の季節の言葉
師走の外に,どんな異称があるかと本を繙(ひもと)いてみた。
調べても語源のよくわからないもの,
なるほどと思うものなど,三十近くある。
「野分(のわき)(台風のこと) 例の年よりも おどろおどろしく,空の色変りて,吹き出(い)づ。
花どものしをるるを。」
源氏物語に野分の名描写の段がある。
一年のいろいろのことを振り返れば まさに今年は「例の年よりも おどろおどろしく」であったように思う。
二十二日の冬至を過ぎれば太陽の「力」も蘇る。
今年もなんとかこの月を迎えることが出来た。
新しい年に明るい望みを託して,
座して除夜の鐘を聞こうと思う。